C'est la vie!
Henry.Cの日記
「ブリトニーってクロウさんの第二夫人ってひと?」
零くんが聞いてきて、あたしは曖昧に頷いた。
零くんは呆れたように振り返り、ちょっと肩をすくめた。
「分かったよ。結城さんの言うことは信じる。
でもたとえここを出る方法があったとしても、ここを出てどうするの?
俺たちは幽霊であることは変わらないんだよ」
そう、零くんの言う通り幽霊って事実は変わらない―――
あたしはお母さんやお父さんにも分かってもらえないし、親友のサヤカやアヤメにだって、もう楽しくお喋りすることできないんだ。
ここから出たって、きっともっと―――
ずっと寂しい―――
でも
会いたい。
成仏する前に、お父さんお母さん、それからサヤカにアヤメ―――
それから
零くんに気持ちを伝えたい。
たとえ零くんが好きなのは今も昔もミサトさんだけだと思っても
気持ちを伝えないと―――
あたしはずっとこのままここに閉じ込められたまま。