C'est la vie!



それを考えると何だか眩暈が―――


いや、眩暈と言うよりむしろ―――……


「どうしたの?眠い?昨日はぐっすり眠ってたのに」


零くんが心配そうにあたしを覗きこんでくる。


「……うん、大丈夫…」


どうしたって言うんだろう。


前は夜中まで受験勉強に明け暮れて、睡眠時間3時間でも足りてたのに―――


ここに来てから、やたらと睡眠時間が長くなった気がする。


「あれこれ考えたって仕方ないし、とりあえず部屋に戻ろう?」


そう言われて、あたしは頷いた。


零くんが手を引いてくれる。


あったかい手―――…


体温なんてとうに失ったはずなのに、そこから零くんの温度を感じる。







優しさと言う温度を―――……














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