龍神 Sside【完】
血塗れた部屋に一人立ち尽くした。
下には姉ちゃんが倒れていた
足の力が抜け、しゃがみこむ
両手は真っ赤に染まり、生暖かった
家族が死んでいくのを、一番近くで見ていた
ずっと一人で見つめていた
でも、震えなかった。叫ぶことすらしなかった。涙すら、出なかった。
きっと涙がでて心が壊れるのをどこかで知っていたからだと思う。
もうすでに心なんて、壊れてるのに。
それでも、心を守ろうとするのはなんでだろう
心なんてものがなくても生きていけるのに