桜哀歌
大晦日
はあ、と吐いた息が白く濁り、夜の闇に溶けていった。
骨の芯まで染みるような冷たい風に、小さく身を震わせる。
「……寒いねぇ」
横で歩く由里が呟く。
そうだな、と返したその瞬間。
ごーんごーん。
今年の終わりを告げる除夜の鐘が、鳴り響いた。
骨の芯まで染みるような冷たい風に、小さく身を震わせる。
「……寒いねぇ」
横で歩く由里が呟く。
そうだな、と返したその瞬間。
ごーんごーん。
今年の終わりを告げる除夜の鐘が、鳴り響いた。