世界を染める真実の光~響く鐘が始まりを告げた~


すると兎羅は脇に抱えていた封筒の中から、一枚の紙を取り出し五人に見せる。

「古人形の館で起こった奇妙な密室殺人。凶器は未だ未発見。遺体の周りには、異常な程の古人形の残骸。どうだい? おもしろいとは思わないかね?」
兎羅が自慢げに言う。
「へぇ・・・。久々におもしろそうな事件、来たじゃん」
「これは解きがいがありそうね」
稀凜斗と紗李が言う。
それに続けて、永遠が聞く。
「場所と詳しい情報は?」

兎羅は封筒から更に一枚の紙を取り出し、読み始めた。
「場所は隣町の雑木林の奥。そこに建つ古い館。遺体の発見時刻は一昨日の夕方五時。被害者は館の主人、第一発見者は館の使用人だそうです」
「ふーん。ねぇ、早速明日行ってみない?」
「そうだな。詳しく見てみないとわからないし・・」
遊亜と稀凜斗が言うと、思い出したように兎羅が言った。
「あぁそうだ。僕のサークルのメンバーを連れて行ってもよろしいでしょうか?」

「えぇ―――・・・」
全員が口をそろえて言う。
「お願いしますよぉ・・・」
兎羅の言葉に渋々稀凜斗が答える。
「仕方ないなぁ。2,3人だぞ?」
「ありがとうございます。では」
そういうとあっという間に兎羅は去っていった。
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