世界を染める真実の光~響く鐘が始まりを告げた~
そして次の日。
「さて全員いるか?」
稀凜斗が問う。
「兎羅たちがいませーん」
「何だよ、自分で行くっつったくせに・・・」
五人がごたごた言っていると背の高い女性が現れた。
「よっ。遅れてごめんねぇー」
彼女は【嵯堵 神奈(サト カンナ)】。ミス研のリーダー的存在だが、キレるとかなり怖い。
ちなみに神奈と紗李は小学校からの同級生。
「ねぇ神奈さん。兎羅たちは?」
永遠が問うと神奈は驚いて言った。
「はぁ!? まだ着てないの!?」
神奈があきれ果てていると、やっと兎羅たちが現れた。
「ゴメン。遅れた」
兎羅と一緒に来た、背の小さい彼は【霜月 亜綺螺(シモツキ アキラ)】。
ミス研の中で一番頭がキレるやつだ。
「遅いっ!!! 亜綺螺も兎羅も何やってんのよ!!」
遊亜がキレる。すると兎羅が余裕で言った。
「いやぁー。少々髪型のセットに時間がかかりましてねぇ・・・。僕が美しくないと、この中を華やかにする人がいなくなるでしょう?」
気のせいだろうか、七人の兎羅に向ける視線が殺気に満ち溢れている。
「うわぁ・・・。ナルシストでたぁ」
「こういうのってホントウザイよね」
「ホント、ホント」
五人が頷きながら言う。
それを見た兎羅が呆れたように
「はぁ・・・。あなた達、僕の素晴らしさが全くわかってないようだね」
と、言った。
「こういう人はね・・・」
「うん。ほっとこうか」
そういうと兎羅を置いて、全員隣町に向かった。