名前の無い物語
朝起きて数秒後
少年ーー二宮海は時計を見つめる
時計は容赦なく、登校時間五分前を指していた
…また寝坊した
海はハァと溜め息を吐いた
まぁ、朝が弱いのはいつもの事だし
昨日は任務が入ってたから分かってた事なんだけど…
しかも、昨日任務の疲れで制服のまま寝てしまったらしい
…着替える手間が省けたな
海は一応髪だけ少し触って、鞄を手にとる
もう皆出ていったのか、部屋には誰もいなかった
今から急げば余裕で間に合うな
ラッキー、と笑って海は鍵を持って玄関に向かう
「ん?」