名前の無い物語
河原をこのまま突き進んだ先
学生服を着た集団が見えた
「あそこね!」
「…なぁ、あれって…。」
海の予想は的中し
事件でもなければ、デュアンテの仕業でもない
ただの、喧嘩だった
「「「…。」」」
思わず立ち止まる三人
そりゃ、どうみても周りを取り囲んでいらっしゃる皆様が不良にしか見えないので…
「喧嘩だな。」
「うん…。」
そんな傍観者がいることも知らず
喧嘩は徐々にヒートアップしていく
「なぁ俺もう飽きたんだけど?」
「俺に聞くな。コイツらに聞けよ。」
喧嘩の中心からそんな声が聞こえてきた
三人は首を傾げる
「てか、梅田とかとはぐれたじゃねぇか!」
「それはお前が勝手にウロチョロするからだろ?巻き込まれた俺の身にもなれ。」
「はぁ?コイツら呼んだのは帆志だろ?どうにかしろよコレ。」
「ふざけんなよ馬鹿。寝言は寝てから言うもんだぜ?」
「はぃぃぃ!?ちょ、ふざけんじゃ…ーーーってあぁ!!」