名前の無い物語
+旅立ち
色んな声が飛び交う学校
フワァ、と欠伸をしながら吉野は廊下を歩く
キャアキャアと騒ぐ女子
ロッカーの上に乗っかっている男子を無視して
吉野は教室に入った
さすがSHR五分前
教室は多くの生徒で埋まっていた
吉野は彼らに気を止める事無く、自分の席に向かっていく
窓際の後ろから二番目
絶好のサボり席が、吉野の居場所
吉野は鞄を置いて座り、外を眺めた
…晴れてんなぁ
いつもとかわらない朝に、吉野は外をぽーっと眺めていた
あ、そうだ
思い出したように、吉野は鞄を開ける
取り出したのは、今朝ポストに入っていた白い封筒
今度は一体何の勧誘だろう?
果てしなく資源無駄だよな、コレ
そんな事を思いながら封を切った