名前の無い物語










「あ、そこのお姉さーん!!」


「ちょっといいっすかー!!」



そう声を張り上げながら
町を歩いていた若い女の人たちの下に祐希と瀬那は走っていく



自分達の目的はあくまで調査の筈だ
なのに、さっきからナンパにしか見えないのは何故だろう?



「…俺達、課題の為に聞きまわってるんだよな?」


「その筈よ。」



海の問いに柚歌は冷静に答えた

帆志達の苦労が、今になって分かる
つうか、体に無理矢理教え込まれた感じ



「け、けどさ…アイツ等もアイツ等なりに一生懸命やってんだって!」


吉野が二人を庇う
とにかく、この悪い空気を変えなければあの二人は終わりだ



「お姉さんスタイル良いね!」


「これから一緒にお茶でもどう?」



「「「…。」」」三人は同時に溜め息を吐いた



< 142 / 595 >

この作品をシェア

pagetop