名前の無い物語
キィン、2つの剣が交じり合う
瞬間、吉野達はお互いに一度弾いた
「っ!」
直ぐに突きつけられた剣を何とか避わし、吉野も負けずに剣を振るう
が、それも相手の剣に簡単に弾かれた
っ…強い!
さっきから攻撃が全く届かない
「余所見してる場合か?」
フッと我に帰った時にはもう遅く
吉野は少年の剣によって弾き飛ばされた
「ぁっ!」
咄嗟の事で受け身も取れずに
地面に叩きつけられる
体全身に強い痛みを感じた
「チッ…まだこの程度か。」
少年は舌打ちを吐くと
倒れている吉野に近付く
っ…体が動かない
クソ…このままじゃ!!
「アイツの命令に背く事になるけど…お前みたいな弱い奴に興味はねぇんだよ。」
少年が剣を上に掲げたのを見て
吉野は覚悟を決めて目を瞑った
「「吉野!!」」