名前の無い物語



祐希達は吉野の下に駆け寄る


「吉野…オイ!」


「落ち着け、気を失ってるだけだ。」


帆志の言葉に祐希は安堵の息を吐く


「…それにしても、さっきの奴何だったんだ?」


「分からない。けど、只者じゃない事は確かだ。」


それはそうだと思う
あんな殺気…普通じゃない


それに吉野もだ



あんなヤバイ奴に狙われてるし、気を失う前に頭が痛んでるみたいだった
一体、コイツら何者なんだ…?



「祐希、帆志!!」


声に振り返ると、瀬那達がこっちまで走ってきた


「お前ら、無事だったのか。」


「当たり前だろ?あんな奴等に負けるかよ…って、吉野!?」


瀬那達も倒れている吉野に気づいた


「安心しろ、気を失ってるだけだ。」


「そっか…良かった。」


瀬那達も安心したように笑った
彼らも多少は怪我しているが、そこまで酷い傷は無い

まぁ、瀬那の言う通り相手にはならなかった



「あそこ!!」




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