名前の無い物語
「柚歌、海!」
柚歌と海が焦ったように走ってくる
二人の視界には…倒れている吉野の姿
「吉野!?」
「大丈夫だってさ。」
「…良かった。」柚歌は力が抜けたようにその場に座り込んだ
「お前らも終わったんだな。」
「えぇ…あ、そうだコレ。」
思い出したように柚歌がポケットから取り出したのは
1つのネガ
「あぁぁ!ソレ!!」
「何かボスっぽい奴が持っててさ…一応回収してきた。」
海の言葉の後、柚歌は霧也にネガを渡す
霧也は少しネガを眺めた後、「間違いない。」と言ってポケットに閉まった
「じゃあ、これで一件落着って事か?」
「だな。」
智と瀬那はんー、と背筋を伸ばした
「帰るか。」梅田の言葉に皆は出口に向かって歩いていく
「なぁ!」
彼らを呼び止めたのは
橘祐希
「何だよ?」
「俺さ…良い案思い付いちゃった。」
そう言って
祐希はニッと笑った