名前の無い物語
そういえば
吉野はさっきまでの光景を思い出す
仮面の少年
きっとアイツは…只者じゃない
「!祐希と帆志は…。」
「アイツ等も無事だ。仮面の少年はアイツ等に手を出す前に消えたらしい。」
…そうか
吉野は安堵の息を吐いた
確か、途中で頭が痛くなって
身に覚えのない光景が頭に広がっていたんだ
でも、どこか懐かしい
あれは…本当に夢?
「あ、吉野!」
部屋に入ってきた柚歌
柚歌はすぐに吉野に駆け寄った
「大丈夫?」
「うん…心配かけてごめん。」
柚歌は笑って首を横に振った
…吉野の『音』もちゃんと安定してる
それにしても、さっきまで何であんなに乱れてたんだろう?
吉野は、何の夢を視ていたの?
「よっしのー!!」
「無事かぁ!?」