名前の無い物語


そういえば

吉野はさっきまでの光景を思い出す
仮面の少年
きっとアイツは…只者じゃない



「!祐希と帆志は…。」


「アイツ等も無事だ。仮面の少年はアイツ等に手を出す前に消えたらしい。」



…そうか


吉野は安堵の息を吐いた


確か、途中で頭が痛くなって
身に覚えのない光景が頭に広がっていたんだ
でも、どこか懐かしい

あれは…本当に夢?



「あ、吉野!」


部屋に入ってきた柚歌
柚歌はすぐに吉野に駆け寄った


「大丈夫?」


「うん…心配かけてごめん。」


柚歌は笑って首を横に振った

…吉野の『音』もちゃんと安定してる
それにしても、さっきまで何であんなに乱れてたんだろう?

吉野は、何の夢を視ていたの?



「よっしのー!!」


「無事かぁ!?」




< 179 / 595 >

この作品をシェア

pagetop