名前の無い物語
変わらない
ここから見える景色は、何一つ
ううん、例え町が変わったとしても
あの時
計台だけは…一生変わることなく建っているだろう
「帰ってきた、って事か…?」
海の言葉に柚歌は俯いた
「っ!」
「柚歌!?」
突然
柚歌は一気に走り去っていく
吉野の言葉も無視して
柚歌の姿はだんだん小さくなっていった
「ちょ、柚歌!」
「どこ行くんだよ!!」
走り去っていく柚歌の後を
二人は必死に追いかけた