名前の無い物語
心の闇
最初に反応したのは、海だった
「心の闇?」吉野は首を傾げた
「彼女が抱えている罪悪感…とでもいうのかな、二宮君?」
「!」話を振られて
海は咄嗟に我に返る
心の闇
祐希達の世界で、占い師に俺達は心の闇を抱えていると言われた
しかも…とても深い…
「海、知ってたのか?」
吉野の問いに、海は少し俯いた
「…ごめん。でも、アイツがどんな闇を抱えているのかは分からない。」
海の言葉に、吉野も俯く
実際、俺達ってお互いの事まだ何も知らないままだったんだな…
改めて思い知らされた気がした
「今回の事は、彼女の闇にも深い関わりがある…。何も知らないままじゃ、彼女を救う事は出来ない。
また、同じ過ちを繰り返すだけだよ。」