名前の無い物語
「世界が終わる?」
語り部の言葉に、吉野と海は目を丸くした
とんな問題が起こっていたのかと思ってたら
柚歌が抱えていた問題が、こんなにも大きいものだたなんて…
「彼はいきなり巻き込まれたにも関わらず、この出来事を受け入れた。
でも、その絶対的な力を狙う団体がいたの…。それが帝国軍。」
帝国軍って…
「国を守る団体が、市民を狙ったって事かよ…、」
その力を手に入れる為に?
「確かに、帝国軍のやり方は残酷で悲惨なものだった。だけど、空は彼を殺さなかったわ。…只、彼を止めただけ。
そして、空は…。」
一度止めて
語り部は少し悲しそうな顔をした
今思えば、初めて感情が顔に出た瞬間かもしれない
「…空は、自分の存在を犠牲にして…滅ぼうとする世界を救ったの。」