名前の無い物語
これが、柚歌の闇
こんな思いを抱えながら
ずっと、世界の為に…
「どからアイツ、あんなにここに帰りたがってたんだな。」
海の言葉に、吉野も最初の頃を思い出す
あの日
俺達が初めて会った日
虹色学園の校長に、必死に帰りたいと願っていた柚歌
きっと、柚歌は責任を感じてるんだろう
これからは、自分がこの世界を護ると…
「じゃあ、柚歌が出てったのは…?」
吉野の言葉に、語り部は一度目を伏せ
二人に視線を向けた
「二年前の事件の黒幕である、帝国軍のボスが目を覚ましたの。」
「「!!」」この言葉で
二人は状況を瞬時に悟った
「もしかして、今回のデュアンテって…ソイツなんじゃ!?」
「じゃあ、柚歌はソイツの所に…?」
二年前の事があるのなら、ソイツは柚歌達に対して憎悪を抱いていてもおかしくない
そして、柚歌の事だから
一人で決着をつける為に…!?
「吉野!」
「あぁ!!」
顔を見合わせて
二人は一気に走り出した