名前の無い物語
「ここだっ!!」
迷いに迷って
吉野と海はようやく帝国軍の下に辿り着いた
その光景を見て、二人は絶句する
二人の目の前には
建物に続いて沢山の兵士達が横たわっていた
「っ…何だよ、これ。」
「全部柚歌がやったのか…?」
よく見れば、相手も武装している男達ばかり
そんな奴を、この数倒したって事かよ…!?
「柚歌、無茶してねぇかな…?」
「…とりあえず、アイツを止めるぞ。」
走り出す前に、海はチラリと倒れている兵士を見た
…外傷は無い
おそらく、音による力で眠らされてるだけか
「…やっぱ、甘いよな…アイツ。」
標的以外は傷つけない
大丈夫、まだ俺達が知っている柚歌だ
「海っ!!」