名前の無い物語
少女の告白に
二人は言葉を失った
語り部だと思っていた、長老会のメンバー
だけど、こんな普通の女の子が…!
「…お前さ、名前は?」
海の言葉に
少女はキョトンとして
「…寧々音。」
そう名乗った
「1つ聞くけど、お前は柚歌を助けに来た。なら、俺達の味方でいいんだよな?」
長老会といっても、コイツが得たいの知れない 人物だと言うことには変わりはない
ましてや、あの距離から急所を外しながら狙う腕を持っている
もし、そんな奴が敵だったら…!
「…私は、柚歌ちゃんを救えって言われた。今はその命令の下動いてる。
なら、君達と同じでしょ?」
何の疑いもなく
寧々音は二人にそう告げた
さっき会ったときとは全く違う、強い瞳
その瞳が、海と吉野を納得させた
「…わかった。」