名前の無い物語
まるで社長室のような作り
ずっと伸びている赤絨毯の先
両脇に兵士を携えた、まるで社長が座るようなデスクに腰かけて
嫌な瞳で見つめる…男
「来ると思っていたよ、柚歌?やはり侵入者は君だったか。」
「…駿河。」
柚歌の冷たい視線が駿河に向かう
が、駿河はフッと笑った
「…本当は、もう二度とあなたに会わないつもりだった。」
「そんな訳ないだろう?私と君との仲じゃないか。」
「ふざけないで!!」柚歌の叫び声が部屋中に響き渡る
「何が仲よ…。あなたのせいで、空は…。」
コイツさえ居なければ
空は
今も、笑ってくれてる筈なのに…
「間宮空…か。」