名前の無い物語
「!!」
突然、背後のドアが音を鳴らした
「っ、オイ開かねぇぜ?」
っ…吉野!?
ドアの向こう側から聞こえた声
間違いない…吉野だ
「仕方ねぇ。吉野、強行突破だ。」
海の声が聞こえてきた瞬間
バァンと激しい音を立てて豪華なドアは吹っ飛んでいった
振り返った柚歌の瞳に写った
吉野と海の姿
「「柚歌!!」」
「吉野…海…ーーー!?」
柚歌が二人の姿を捉えた瞬間
まるで引っ張られてしるように
柚歌は闇に引きずり込まれていった
「っ!」
「柚歌!!」
反射的に飛び出して
吉野は柚歌を飲み込んだ闇に向かって飛び込む
「吉野、柚歌!!」