名前の無い物語
飲み込まれた二人を追おうとした海を
寧々音が止めた
「っ、何すんだよ!」
「君は行っちゃダメ。行ったら…君も闇に飲み込まれる。」
「っ…!」寧々音の言葉に海は何も言わなかった
自分も抱えている、心の闇
それがどこか引っ掛かった
「けど…吉野は…。」
アイツの心は壊れているのに…
「…彼なら大丈夫。ううん、これは彼にしか出来ない。」
闇から救うのは
光を司る…心の使い手である彼にしか…
「寧々音?」海の声に寧々音は我に帰る
「柚歌ちゃんの事は吉野君に任せよう。
私達は…あの人を…。」
寧々音の言葉に
二人の視線はあの男に向かう
「…何者だ、貴様ら?」
闇を身に纏った駿河
海と寧々音は構えた
「っ…アイツが今回のデュアンテか。」
「みたいだね。二人が戻ってくるまで…コイツにやられる訳にはいかない。」
一度お互い頷きあって
駿河に向かっていった