名前の無い物語
凛と響いた柚歌の言葉
それだけで、吉野達はどこか安心した
「よっし、じゃあ闇なんて俺達でブッ飛ばしてやろうぜ?」
「うん…。この世界が闇に飲まれたら、空に怒られちゃうよ。」
ーーったく…ちゃんとしろよな?ーー
きっとそんな風に
呆れた顔で
柚歌の頭の中に、そんな空の姿が浮かんだ
デュアンテは右手に巨大な闇の球を創る
それを、思いっきり吉野達に向けて放った
全員それを避け、海と吉野は一気に間合いを詰める
「‘絶空’!」
「‘月閃架’!」
海は近距離で技を放ち
同時に吉野は剣を振るった
その隙をぬって、寧々音の銃弾がデュアンテに向かう
その銃弾に纏う音
柚歌の能力…‘調律’の能力
デュアンテは吉野達の攻撃を振り払う
だが、銃弾は数発被弾した
悲鳴が部屋に響き渡る
「…‘眠り歌’。」