名前の無い物語

駿河の瞳は怒り狂って
最早余裕の色は全く映していなかった



「貴様も、私と同じだ…。貴様の闇を取り込めば、私は…。」


「…それは無理だ、駿河。」


息を切らしながらも訴えかける駿河に
柚歌は真っ直ぐ見据えた





私の中にあった、膨大な深い闇
今は何故か、心がすごくスッキリしてるの


それは、きっと…



「闇は、光の中に溶けていったから。」



柚歌は笑って、そう言った
「柚歌ちゃん…。」その姿に、寧々音は安心したように笑った



「っ…!クソ…!」


「もう終わりよ、駿河。」


200年も続いちゃったし
拓や沙耶…村のみんなや空を巻き込んじゃったけど


これで、私たちの戦いも終わり




「闇は、光になるの。」


柚歌は駿河に手を向ける
そこから、無数の音が駿河に向かっていった








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