名前の無い物語










「フワァ…。」


「駿介、欠伸デカイ。」


後藤彩夏の言葉に、長瀬駿介は「うるせー。」と顔を背けた



「ついに明日だね、体育祭。」


「最終練習は今日だからな。まぁ、焼き肉は俺達が貰ったけど。」


今回、担任と賭けを始めた


彼らの担任は、よくいるやる気の無い教師陣の一人であり
体育祭にも乗り気ではない


だから、駿介は『勝った側が焼き肉を奢る』という賭けを提案し
無事彼らのクラスが優勝すれば焼き肉
優勝出来なかったら担任に奢るという内容だった



「問題はリレーだよね。」


後藤彩夏の言葉に
彼は何も言わなかった



リレー四番目


滝川吉野


本来なら、クラス1の俊足である彼はアンカーを走る筈だった






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