名前の無い物語



適当に制服を着て
適当にネクタイを結んで
少し髪の毛をセットして

そして、ベッドの側に置いてある物に手を伸ばす

蒼色のガラスで出来た、手のひらサイズの星形のキーホルダー
手作り感満載のソレを、いつも通りズボンのベルトの所に取り付ける

誰に貰ったのか、誰が作ったのかは覚えてないけれど
大切な御守りだった気がする

そんな僅かな根拠で、吉野はいつも肌身離さず持っていた






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