名前の無い物語
*最強能力者学園と空への塔
「オ、オイ見ろよ!!」
教室の窓から目を反らし
一人の少年が声を上げた
「どうしたの、直?」
大人びている少女が首を傾げる
「今…今、西側に流れ星が落ちた!」
その言葉に、クラスメート全員ははぁ?と呆れて溜め息を吐いた
「ちょ、本当なんだって!今この目で見たんだよ!!」
「とりあえず1つ訂正しといてやる。今は昼だ。」
机に足を乗せ、見るからに行儀悪く座っている幼い少年がツッコんだ
誰もが彼の話を信じていない中
ガタ、と一人の少女が席を立つ
「皆、急いで中庭西部に。」
「葵までどうしたの?」
普段、奇妙な行動はとらない彼女
問いに…彼女はニコリと笑った
「海が、学園に帰ってきた…。」