名前の無い物語

葵の言葉に
三人は言葉が出なかった

本当の自分を
今…取り戻している?

そう悟った瞬間、海の中で嫌な考えが過る

もし、寧々音の言う通り吉野が本当の自分を受け入れられなかったら
その時…アイツは…?


「その事で、あなた達には選択して欲しいの。

…私は、吉野君の過去を全て読み取った。」


「「「!!」」」葵のその発言に
三人は表情を変えた

「初めて吉野君を見た時…私の中に流れ込んできた。たぶん、私の能力のせいだと思う。」

葵の能力、千里眼
総てを見通す驚異的な力

この能力なら…他人の心はおろか過去を視る事など容易い

海はすぐに納得した


「みんなが考えてる通り…本当の自分ん取り戻したとき、吉野君がそれを受け入れられるかは分からない。
あなた達が吉野君を支えられるか…それが鍵になると思う。

それを前提に選択して欲しい。あなた達は…吉野君の過去を知りたい?」










< 374 / 595 >

この作品をシェア

pagetop