名前の無い物語
+運命のスプーン
「うっ…。」
吉野はゆっくり目を覚ます
瞬間、吉野は頭が真っ白になった
確か、町で変な黒い生物に襲われた筈だ
なのに、自分の視界に写っているのは家やビルなどではなく
生い茂った木々だった
「…。」
夢か
そうか、まだ夢を見てるのか
そう思って吉野は自分の頬をつねる
夢の筈なのに、激しい痛みをちゃんと感じていた
「…夢じゃない?」
嘘だろ?
あの後俺、こんな所まで飛ばされたってのか?
あの小さな生物にそんな力があったとは…!
「っていうか、どこだよここ…。」