名前の無い物語
ヤバイ、そう感じて二人は一斉に振り返った
だけど、そこにいた人物は
今自分達が想像していた者と全く違って
「って、何だ…陽斗かよ。」
「驚かさないでくれる?」
ハァ、と安堵の息を吐く二人を見て
茅島陽斗は「悪い悪い。」と面白そうに笑っていった
「星が見えてさ。ここなら綺麗に見えるかなって。」
「あ、俺もそう思ってここに来たんだよ!」
へぇ、と軽い反応をして
陽斗はその場に座った
吉野と伊織も、陽斗の隣に並んで座る
そして、三人で空を眺めた
「綺麗ね…。」
「あぁ。何か星ってさ、世界みたいだよな。」
陽斗の言葉に
吉野は首を傾げた
「俺達が住む世界、他の奴等がいる、俺達の知らない世界…。そんないろんな世界が混じりあって、宇宙は存在してるんだ。
なら、あの星一つ一つが世界みたいな気がしないか?」