名前の無い物語
俺達以外の、他の世界
この星の数だけ…そんな世界は存在しているのだろうか?
キラキラと
必死に、輝いて…
「…俺にはよく分からねぇや。ここから出たことないし。」
俺はこの世界しか知らない
この世界が自分の総て
だけど、宇宙にはまだこんなにも自分の知らない世界が存在している
そう思うだけで、ワクワクしてきた
「…悪い。」
「何で陽斗が謝ってんだよ?てか、明日だろ二人の就任式!」
嫌な空気を変えたくて
吉野は立ち上がって話題を変えた
吉野達の住む世界は、光と闇の狭間に存在している
だからか、昔から光と闇の均衡を護るために
世界を飛び交う、光を司る心の遣い…“ソードマスター”という者が存在していた
自身の光の心で産み出した剣で戦う“ソードマスター”
吉野達は昔からその師範の下に通い、特訓を受けてきた
そしてついに、伊織と陽斗は明日、一人前の印…マスターに就任する
「ついに明日かぁ。俺、スッゴい楽しみなんだ!」
「何で吉野が楽しみなんだよ?」