名前の無い物語

伊織は自分の腰に着けている鞄を探る

吉野と陽斗が首を傾げていると
じゃーん!と伊織は自慢げに取り出した

伊織の手にあるのは
硝子で出来た…3つの花型のお守りだった


ーーえ、すげぇ!伊織が作ったのか!?ーー

ーー勿論。この先に“約束の花”が咲いてるでしょ?昔から、その花をモチーフにしたお守りを作ると別れが来てもずっと一緒に居られるって言い伝えがあるのーー

緑色のお守りを陽斗に
青色を、吉野に

そして、自分の手に残った黄色のお守りを少し見つめて
伊織は空に掲げた


ーーそれに…花言葉には、誓いって言う意味があるのーー

ーー誓い、かーー

陽斗と吉野もお守りを空に掲げた
星の光で、硝子の花がより一層輝いて見えた


ーーじゃあ今誓おうぜ。俺達の夢をーー





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