名前の無い物語
「吉野?」
伊織の声に、吉野は我に帰った
…昔の事を思い出してたのか
「どうしたの?急に黙り込んで。」
「…あの日の事を、思い出してたんだ。」
そう言いながら
吉野はズボンのポケットに手を入れる
取り出したのは
花形の…誓いの御守り
それを見て、伊織と陽斗も御守りを取り出す
あの夜
星に願った、三人の夢
「もうすぐ、二人の夢が叶うんだ。」
それぞれの目標の為に
マスターになりたいと、空に願った三人
明日、二人の夢は叶う
そう思っただけで
吉野は凄く嬉しかった
「史上最年少なんだろ?やっぱり二人はすげぇよ。」
「何言ってるのよ?吉野だってきっともうすぐ試験を受けれるわ。」