名前の無い物語
少し広い空間に出た時だった
三つに別れた、残りの二つ
その道から、吉野以外に二人の人物が歩いてきた
その二人も驚いたように吉野を見る
同じように制服を着た女と男
「「「あ。」」」
そして三人は気づいた
制服以外にもあった共通点
三人の手に握られた…曲がったスプーン
「君達…何でそのスプーンを…。」
「何でって言われても…今朝ポストに入ってたんだ。」
少女の問いに少年は答えた
目で見られた吉野も、慌てて頷く
「で、ここはどこなんだ?」
「知らないわ。いきなり影みたいな生物に襲われて…気付いたらここに居たから。」
少女の言葉に二人は目の色を変える
「お前も?俺もそうなんだよな。」
「…俺達、全員?」