名前の無い物語
今朝ポストに謎のスプーンが届けられていて
いきなり影みたいな生物に襲われて
気が付いたら、ここに居た…?
「ま、俺達が同じ何かに巻き込まれたって事は確かだよな。」
「えぇ。スプーンが届いた私達が偶々襲われたって訳でもなさそうだし。」
スプーンが届いて影に襲われた
まるで、このスプーンから全てが始まったみたいだ
「…斎藤柚歌。」
「「えっ?」」二人が首を傾げた
「私の名前。知らないと不便でしょ?」
そう言って、少女ーー斎藤柚歌はニコッと笑った
確かに、同じ境遇同士
もう他人じゃいられない
「俺は二宮海。」
次に少年ーー二宮海が言った
二人の視線が吉野に向かう
「…滝川吉野。」
吉野の紹介で、三人はようやくお互いの事を知った
「で、これからどうする?」
「私達何も知らない同士…バラバラに行動するより一緒に行動した方が良いんじゃない?」