名前の無い物語
あなたは今死ぬべき存在じゃない
例えあなたの心が破壊されようと
救ってくれる…誰かはきっと世界に居る筈だから
最後の力を振り絞って
伊織は剣で弧を描いた
それを合図に、吉野は上昇して
異空の扉へと向かう
そしてそのまま
吉野は扉の中へ消えていった
「生きて、吉野…。」
あなたは私達の希望
きっと…アイツの野望を阻止できるのは
吉野…あなただけ
「…サヨナ、ラ…。」
それを最後に
伊織は体から力が抜けて
意識を失ったーーー