名前の無い物語

突然の吉野の叫びに
海は一度後ろに飛んで間合いが出来た

切れる息を押さえ込んで
吉野は海を睨む

「俺が博士に狙われてたから…俺のせいで伊織と陽斗は殺された。今度は、海達も巻き込むかもしれない。

そんなのは、もう嫌なんだよっっ!」


自分は何も出来ずに
何も分からずに

只…大切な人たちが殺されるのを黙って見てた


「博士はきっとまた俺を狙いに来る。海達まで殺されたら、俺は…。」

俺は

一体…どうなるんだろう?


そんな吉野を見て
海は「あのな。」と言葉を挟んだ


「確かに、鎖邊と対峙する時は近いと思う。でもな、お前はそうやって自虐するより先に、しなきゃいけねぇ事あんじゃねぇの?」

「?」吉野は顔を歪めた
海の言っている事が
よく分からなかった


「俺達は仲間なんだろ?だったら何で、俺達を信じねぇんだよ?」








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