名前の無い物語
あ…
海の言葉に
吉野は目を丸くした
「お前が、俺達を想ってくれてるのは分かる。けど、自分を責めるより先に…まず俺達の事を信じろよ。」
ずっと一緒に旅してきた
出逢った頃よりずっと
どこか…心が近くなっていって
気が付いたら、かけがえのない仲間になっていっていた
「仲間を悲しませる奴がどこにいんだよ?俺達は絶対に…お前の側から消えたりしない。
信じろよ、仲間をっ!」
「海…。」
海の言葉が
吉野の心に響いていく
吉野は視線を動かした
自分を想ってくれてる
大切な仲間
「柚歌…空さん…。」
どこか、心が暖まった気がして
気が付くと、頬が濡れている事に気づいた
「あ、れ…?」