名前の無い物語
止まらずに続く、無感情の女の声
突然の事に、海は一瞬思考が停止する
「海?」海の様子の変化に、柚歌は声をかけた
吉野と空も気付く
…普段、任務は仲介人を介してメールで報告される
学園長からの直々の呼び出しは、ある特別な任務の時にしか起きない
危険度レベル4並の、重大な時にしか…!
「っ…ヤバイ。」
悟った瞬間
海は即座に携帯を切った
行かなければ
きっと…異変が起きている!!
「どうしたの海?」
「…学園長から呼び出しがあった。もしかしたら、何か異変が起きているのかもしれない…。」
海の言葉に三人は目を丸くする
異変
そう聞いて思い浮かぶのは…デュアンテ
「とりあえず、俺は学園長室に行かねぇと!」
「俺達も行く必要がある。もしデュアンテなら…だろ?」
空の言葉に柚歌は頷いた
吉野は一度、御守りを強く握りしめる
陽斗…伊織…
俺は…
「行くぞ。」
「あぁ…吉野、どうかしたか?」
「あ。」空に声をかけられて、吉野は何でもない、と首を振った