名前の無い物語
言葉を失ったのは、海だけじゃ無かった
部屋にいる全員が、すぐには理解出来なかった
「…ふざけんなよ。お前も聞いてただろ?協会の能力者も、デュアンテの対策に頭を悩ませてる。経験者の俺達が居た方が「だから、状況は変わったんだよ。お前らにここで無駄な時間を費やす訳にはいかねぇの。」
言い返す事くらい出来た
けど、stayの有無を言わさない強い瞳で
海は言葉を詰まらせた
それは、吉野達にも感じられるくらいの威圧感だった
「時間よ。」
学園長の一言に、海は後ろに振り返る
明るく輝く魔方陣に向かって、一人、また一人と
星組のメンバーは向かっていった
「みんなっ!」
咄嗟に叫んだ声に
星組は振り返った
「何だよ海、まさか俺らが殺られると思ってんの?」
「…渚。」