名前の無い物語

もしかしたら、叶わない約束

だけど信じていれば…必ず叶う約束


「…うん。」華は一度俯いて
顔を上げた時には、強い瞳を浮かべて


「ずっと、ここで待ってるから。」

満面の笑みを浮かべて華はそう言った
それは、海が一番大好きな笑顔で
離したくない、海は心の底からそう感じた


「…行ってらっしゃい。」

スルリ、と腕から離れていく
大切な温もり

行き場を無くした腕を下げて
海は魔方陣に乗って行く仲間を見つめた

魔方陣が一番輝きを放つ

視界が光に包まれた瞬間


仲間の姿は…部屋から消えていた





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