名前の無い物語
ソードマスターを失った
それは少なからず、陽斗と伊織が死んだ事を意味していた
「…。」悟った吉野の表情の変化を、柚歌は哀しそうに見つめた
「もうわかるでしょ?世界の闇の量を増やし、ソードマスターを奪った闇の探求者の正体…。」
「…鎖邊、博士…。」
吉野の言葉に
來は「そう。」と頷いた
「かつてはソードマスターとして世界に貢献し、引退後は心の研究に身を捧げた…。君の師範、夏村氏の同期である史上最強のソードマスター…鎖邊。」
吉野の頭に浮かんでくる
最後に見た、鎖邊の顔
ーー再び見えると信じておるぞーー
「…アイツは、俺を待ってるんですね…。」
吉野の怒りが籠った声
來は「分からない。」と首を横に振った
「彼のやっている事、次にやることは長老会でさえ分からない。だけど、1つだけ言える…彼の目的は…。」
「…オーバードライブ。」