名前の無い物語
俺の、世界…?
確かに聞いたことがある
代々、マスターが守り続けていた聖地があると
そして…そこに繋がっているのは、修練場にある、あの祭壇の向こう側
「じゃあ早くその世界に飛ばしてくれよ!」
「待って海。確か吉野の世界は、伊織さんが封印した筈よ。いくら長老会でも、繋がりを断たれた世界に飛ばすなんて…。」
柚歌の意見は当たっていた
伊織は世界を閉ざした
そうすることで、他の世界からの干渉をふうじたのだ
「じゃあ、どうやって…。」
俺の世界には行けない
だけど、鎖邊に会うにはそこに行かなくてはならない
一体、どうしろって言うんだよ?
「…この果てしない異空のどこかに、どの世界にも通じるという扉があるの。」