名前の無い物語
突然の声に
四人は視線を向ける
一人の天使が、海達に向かって指を指していた
「アイツ等、羽がねぇし碧色の瞳じゃねぇ!」
「本当だわ。」
「何故劣悪種がここに…。」
男の言葉を合図に
次々とざわめきは増す
町の天使達全てが、吉野達に怪訝な目を向けた
「ちょ、何!?」
「どういう事だよ海!」
「いや知らねぇって!」
どうなってるんだ?
劣悪種?
まさか…俺達人間の事なのか…?
「また災厄を起こすつもりか、劣悪種!」
「待てって!俺達は只「問答無用、引っ捕らえろ!」
海の抗議なんて聞かずに
天使達は彼らに魔法を放つ
「っ!」吉野はそれを軽く避ける
海達も簡単に避わした
が、天使の人数の多さで止まることなく吉野達に魔法の嵐が降りかかった
「クソ、このままじゃ埒が明かねぇぞ!」
「戦うしか、無いのか?」
何で…何で人間を…
海はチッと舌打ちを吐いた
『逃げてください。』