名前の無い物語

突然頭に響いてにた声
吉野は咄嗟に振り返った


が、背後には自分達を襲っている天使達しかいない


「…今の声…。」

『どうか天使達を傷つけないで下さい。彼らは何も悪くない。

お願いです、逃げてください。』

頭に響く優しい声

分かる

この声の主は…信じられる


吉野は右手に剣を構える
そして、それを真っ直ぐ向けたかと思ったら

「…‘風華’!」

吉野がそう唱えた瞬間
辺りに突風が吹き乱れる

「っ!」

「吉野!?」

咄嗟の事で、海達にも吉野の行動は理解出来なかった


「今の内だ!」

「は?」

「ちょ、吉野!」

風で撹乱されている天使達を横目に
吉野は一気に走り出す


その後ろを
三人は必死に追いかけた






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