名前の無い物語

ハァハァと息を切らして
少女が後ろから現れた


「お疲れ様です、柚月。」


「おせぇぞノロマ。」


桜の優しい言葉とは反対に、棗は少女ーー三浦柚月に暴言を吐いた
その言葉に柚月はキッと棗を睨む


「ふざけないでよ棗!あんた達が早すぎんでしょ!?」


「お前の箒が遅すぎんだろ?」


言葉が詰まる柚月
どうやら、棗には敵わないらしい



「…ねぇ、知り合い?」


四人にバレないように
柚歌はこっそり海と吉野に聞いた


「いや、見覚えねぇな。」


「…俺も。」



例え見覚えがあったとしても、こんな個性が強い奴等忘れる筈がない


「二人共!そんなことしてる場合じゃないですよ!






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