名前の無い物語
桜の言葉にようやく柚月と棗の言い合いは止まった
チッ、と棗は舌打ちを吐く
「えっと…君達は誰?」
この空気についていけていない柚歌達は少し恐れながら聞いた
「はぁ?それはこっちのセリフだ不法侵入者。」
「「「えっ?」」」
不法侵入者?
もしかしなくても…俺達?
「ここは俺らの学園の敷地内。生徒じゃないお前らは、紛れもなく侵入者だよな?」
確かに棗とかいう奴の言う通りだ
学園の敷地内って…
どんだけ広いんだよ
「すみませんでした。私達も、気付いたらここにいて…ここがどこかも分からないんです。」
「えっ?それってどういう「黙ってろノロマ。」
柚月の言葉を遮った棗
「はぁ!?」と罵声が飛んだ事は言うまでもない
「とりあえず俺達と一緒に来て貰うぜ。事件の容疑者の可能性が有る限りな。」