名前の無い物語
「事件…?」拓也の言葉に海は首を傾げた
何でここにいるかも分からないのに、事件なんて起こせる筈がない
「口答えすんな。さっさと校長に突きだそうぜ。」
「ちょ、棗!他に言い方あるでしょうが!」
柚月の注意もやはり棗には届かない
これが噂の俺様か…
柚歌は密かに思った
「ねぇ、どうする?」
「どうするもこうするも…俺達も自分の状況を把握出来てねぇし、付いていった方が良いかもな。」
「そうだな。」
今、自分が置かれてる状況さえ分からない
闇雲に歩くよりは、コイツらの言う『校長』に話を聞いた方が良さそうだ
「さっさと帰るか、学園に。」
「そうですね、校長も待っている事ですし。」
やっと連れていってもらえるのか、と安心したのも束の間
彼がが取り出したのは
何故か箒だった