名前の無い物語
+決意と誓い
ブーブーブー
突如響き渡る音
エレベーター内も赤色の光が溢れた
「ちょ、いきなり何!?」
「この音…非常ベル?」
「どうなってんだよ!」
順調に進んでいた筈なのに
突如響いた非常サイレン
別に特に何もしていない吉野たちには、何が起こっているのか分からなかった
「「うわぁぁぁぁ!!」」
何が起こったか理解するより先に
ドォンと音を立てて、エレベーターは急停止した
「っ…。」
「いってぇ…。」
停止の衝撃で頭打った
頭をさすりながら、吉野は辺りを見渡す
「大丈夫か?」
「何とか…。」
「ったく、一体どうなってんだよ…。」
頭を掻く空の隣で
ドサッという音が耳に届いた
視線を送ると
取手を微かに掴みながら…片膝をつきている海
「っ…海っ!!」